いよいよ、W111ベンツも大詰めです。
今回はスピードメーターの加工です。エクステンションハウジングを他車流用でスピードメーターケーブルをつなげる
ようにします。
上が流用するエクステンションハウジングです。中央上部にメーターケーブル取り付けのスリーブが付きます。しかしここで問題発生、マウントの取り付け部分がまったく違います。
上が流用のマウント、下が元のマウントです。ミッションメンバーの取り付けピッチが違うのと、高さが違うのでメンバーを加工しなければならなくなりました。エンジン、ミッション搭載の時点で、エクステンションハウジングを交換していれば、こんなことにならなかったのですが、その時はメーター側を加工しようと思っていたので仕方ないですが、一手間増えてしまいました。
マウント変更に伴って、取り付け部を25ミリ下げて、取り付けピッチも変更しました。はじめに作ったメンバーをなんとか加工できたので、よかったです。
エクステンションハウジングを外しました。アウトプットシャフトにメーター用のドライブギアは当然ありません。オートマのスピードセンサーのローターの後ろにギアがつくのですが、ギアの幅が狭いためこのままでは前後に遊んでしまいます。そこで9ミリのカラーを作って位置を合わせます。
これでドラブギアが所定の位置に固定されました。
エクステンションハウジングを取り付けて、ドリブンギアを取り付けて完了です。あとはベンツのスピードメーターケーブルとトヨタのケーブルのミッション側をドッキングさせれば、ベンツのワイヤー式のスピードメーターを動かすことができます。
つながりました。リフト上でメーター確認、OKです。
さて、これでスワップに関する作業は終わったので車検を受けるにあたっての整備をしていきます。まずはブレーキ、この車両は入庫時からキャリパーが固着してブレーキが引きずっていました。当然ばらしてシール交換です。
キャリパーをばらしたところですが、ピストンが固着して抜けなくてめちゃめちゃ苦労しました。
ブレーキマスターシリンダーはトヨタ製をオーバーホールしてブースターといっしょに交換です。
ステアリング関係は、パワステギヤボックスからのオイル漏れ、ステアリングロッドエンドのがた、ステアリングスタビライザー不良です。
画像は交換するステアリングスタビとロッドアッセンブリです。ロッドエンドのガタですが、ロッドと一体式のためアッセンブリ交換となりました。ギヤボックスのオイル漏れはオイルシールの交換で直りました。手がオイルまみれで写真がとれませんでした。
水漏れもありました。
これはヒーターコアにいくパイプですがT字の部分から水漏れしていました。
さびを落として、漏れている箇所をロウつけして修理完了です。
デフのフロントシールからオイル漏れしています。センターのナットを緩めてフランジをはずせばシールの交換が出来るのですが、いざナットを緩めようとしてびっくり。
ピンボケして見にくいですが、ナットの形状が特殊です。こんなナット初めて見ました。さあ、ここからがたいへんでした。オールドメルセデスの専門店に問い合わせましたが、どこも工具を持っていませんでした。工具屋、スナップオンにも聞きましたが、情報得られず。
結局、工具を作ってもらいました。
さあこれで楽勝と思いきや、ねじが想像以上に硬くて緩みません。パイプをかけたら曲がってしまいました。
仕方がないので、工具の頭にナットを溶接して、インパクトで緩めることにしました。ツメのかかりが浅くなめてしまいそうなので押さえつけながら緩めますが、なかなか緩みません。なめてしまっらおしまいなのでナットの様子を見ながら何度もトライしました。
やっと緩みました。
苦労して緩めたナット。
プーラーを使用してフランジをはずします。
やっと外れました。
オイルシールを入れ替えて、元に戻して完了です。疲れました。
何とか整備も終わりました。
書類も下りてきているので、やっと車検場に持ち込めます。
車検や一般修理が重なっていますが、何とか金曜日までに車検を受ける予定です。オーナー様、もう少しお待ち下さい。